【レシピ・今どきの筑前煮】昔と何が違う? 分とく山・野崎洋光さんに教わる、今どきの定番おかずの作り方

前回は東京・南麻布の日本料理店「分とく山」総料理長・野崎洋光さんに、「昔ながらの筑前煮」を教わりましたが、本日は「今どきの筑前煮」を教えていただきます。「昔ながらの筑前煮は、白いご飯が進むこってりとした味つけでしたが、今どきは、それだけを食べてちょうどよい味の濃さが求められています」と野崎さんは言います。目的の違いを意識しながら、ぜひ作り比べてみてください。
材料(作りやすい分量)
- 鶏もも肉
- 250g
- 里いも
- 200g
- ごぼう
- 50g
- にんじん
- 100g
- れんこん
- 120g
- 生しいたけ
- 4個
- こんにゃく
- 1/2枚(130g)
- 煮汁
- 水
- 500ml
- しょうゆ
- 30ml
- 薄口しょうゆ
- 30ml
- みりん
- 60ml
- 砂糖
- 大さじ1
- 昆布
- 7cm角1枚
- 絹さや
- 4枚
作り方
- 準備・絹さやをゆでる。
- 1
具の準備をする。
里いもは皮を六方にむき、乱切りにする。皮付きのごぼうは斜め薄切りに、れんこんは縦半分に切って薄切りの半月に切る。にんじんは輪切りにし、生しいたけは軸を切り落とす。こんにゃくはスプーンで一口大にちぎる。鶏肉を一口大に切る。
※六方にむく方法は、こちらのPointを参照。 - 2
根菜などを湯通しする。
鍋に湯を沸かし、ざるに里いも、ごぼう、にんじん、れんこん、生しいたけ、こんにゃくを入れて30秒ほど湯に浸け、水気をきって別の鍋に入れる。
※この作業をすると野菜のあくや臭みが取れて、すっきりした味になる。 - 3
鶏肉を霜降りにする。
鶏肉をざるに入れ、2の湯に入れて箸でほぐし、うっすら白くなったら引き上げる。 - 4
鶏肉を冷水にとる。
3を冷水に入れて表面の汚れやあくを落とし、水気をきる。 - 5
鍋に材料を入れる。
2の根菜などの入った鍋に、煮汁の材料と昆布を入れる。 - 6
煮始める。
強火にかけて落とし蓋をする。沸騰してきたら少し火を弱め、落とし蓋から泡が沸き立つくらいの火加減で煮ていく。 - 7
あくをすくう。
ときどき落とし蓋をはずし、浮いたあくをすくい取る。 - 8
鶏肉を加える。
煮汁が半分ほどまで煮詰まったら4を加える。箸で全体を混ぜて鶏肉に煮汁をなじませたら、再び落とし蓋をして煮る。
※里いもに火が通っていたら、鶏肉を入れるタイミング。 - 9
鶏肉に火を通して煮上がり。
2分ほど煮て、鶏肉に火が通ったら煮上がり。煮汁とともに器に盛り、絹さやを散らす。
Chef’s voice
「昔ながらの筑前煮」と「今どきの筑前煮」それぞれの作り方のコツ
使う素材と調味料は同じですが、火の通りにくいごぼうとにんじん、れんこんの切り方、調味料の配合は違います。炒める昔ながらのタイプは長く煮るので乱切りで大ぶりに、下ゆでする今どきのタイプは煮る時間が短いので薄切りにします。調味料も前者はしょうゆの量を多めにしてコクをつけ、煮汁を具材にからませるので濃厚な味に。後者はしょうゆを濃口と薄口を半々にしてすっきりさせます。
鶏肉の扱いは、最初に炒めて脂をコクづけに使うか、霜振りして落とすかの大きな違いがありますが、煮すぎて堅くならないようにするのは同じ。根菜にほぼ火が通ってから加えて、軽く煮てください。鉄則です。
使う素材と調味料は同じですが、火の通りにくいごぼうとにんじん、れんこんの切り方、調味料の配合は違います。炒める昔ながらのタイプは長く煮るので乱切りで大ぶりに、下ゆでする今どきのタイプは煮る時間が短いので薄切りにします。調味料も前者はしょうゆの量を多めにしてコクをつけ、煮汁を具材にからませるので濃厚な味に。後者はしょうゆを濃口と薄口を半々にしてすっきりさせます。
鶏肉の扱いは、最初に炒めて脂をコクづけに使うか、霜振りして落とすかの大きな違いがありますが、煮すぎて堅くならないようにするのは同じ。根菜にほぼ火が通ってから加えて、軽く煮てください。鉄則です。
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野崎洋光(のざき ひろみつ)/東京・南麻布の日本料理店「分とく山」総料理長。1953年福島県古殿町生まれ。武蔵野栄養専門学校を卒業。栄養士でもあり、従来の考え方にとらわれない今の時代に合った料理哲学をやわらかな語り口で、分かりやすく説く稀有な料理人。常に家庭料理の大切さ、家庭でしか作れないおいしさを唱えている。『野崎洋光 和のおかず決定版』(小社刊)、『日本料理 前菜と組肴』(柴田書店)など、著書も多数。
撮影:三木麻奈
「分とく山」野崎洋光のおいしい理由。和食のきほん、完全レシピ

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